ロシア株ETFについて
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2008年7月末より、ついに日本の株式市場(大証)にロシア株のETFが上場します。正式名称「NEXT FUNDSロシア株式指数・RTS連動型上場投信」といい、【証券コード:1324】が割り当てられたこのETFは、日本の全ての証券会社で通常の株式と同様に売買できます。
これはロシアの平均株価指数であるRTS指数(ロシアに上場する主要約50銘柄の平均)に連動するETFです。簡単に言えば、ロシアの大型株に円建てで分散投資できることになります。
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語に略すと「上場投資信託」になります。通常の投資信託は特定の証券会社でしか取り扱われず、値段も一日一回しか算出されず、指値注文も不可であるなどの欠点があります。しかしETFは、通常の株式と同様に証券コードが割り当てられ、何処の証券会社でも売買が可能です。また通常の株式と同様、ザラ場中に値動きがあるので、指値注文も可能ですし、空売りもできます。
これまで日本では、TOPIX連動型ETF(【証券コード:1306】など)や、日経平均連動型ETF(【1321】など)のように、国内の株式指数に連動するETFしか扱われていませんでした。しかし2007年に、中国・上海50指数連動型ETF【1309】が上場されたのをきっかけに、海外の株価指数に連動するETFの上場が増えてきました。
ETFの長所は、指値注文や空売りが出来るだけではありません。保有コスト(信託報酬=年間の運用コスト)が、通常の投資信託よりも安く設定されていることも大きなメリットです。例えば今回上場が決まったロシアETF【1324】の場合、信託報酬は年間0.99%とされていますが、投資信託「HSBCロシアオープン」の信託報酬は年2.04%、「ドイチェ-ロシア東欧株式ファンド」も1.97%と、ETFの方が年間1パーセントもコストは安い計算です。
年間1%の差と言うと軽く見えるかもしれませんが、長期的に見れば株式の年間利回りは年10%前後ですので、1%のコストの違いは極めて大きいのです。例えば100万円を年間利回り『10%』と『9%』でそれぞれ運用した場合、10年後には前者が259.4万円、後者が236.7万円と、20万円以上の差が付くのです。
ロシア株ETFは、実際には「ETN」である
良いこと尽くめに見える今回のロシア株ETFですが、欠点も幾つか存在します。
まずこのETFは、現物のロシア株を保有しないため、厳密には「ETN」と呼ばれるものに相当します。ETNは現物株の裏付けが無いため、実際の株価指数と乖離が大きくなる可能性があります。例えば前出の上海ETF【1309】の場合、上場当初は人気が殺到して、大証上場の株価が、対象となる上海50指数に為替レートを掛けた正式な株価指数より10%以上も割高な値段になっていました。投稿執筆時(2008年7月17日)でも、上海50指数を日本円に直すと約32000円ですが、大証の【1309】は33450円と約4.5%ほど割高になっています。将来この割高プレミア分が是正されれば、その分現在までに購入した人は損をする計算になります。
またETNは現物の裏付けが無いので、発行元(野村アセットマネジメント)が万が一倒産すれば、紙くずと化す恐れがあります。通常のETFなら、現物株の裏付けがあるので、例え発行元が潰れてもETFの時価で投資家に還元されるので損失は出ません。野村證券グループが母体なので、破産する事などまずありえないとは思いますが、理論上はETNは安全性に疑問が残る債券だといえます。
投稿執筆時、実際にはまだ販売前だということで、運用報告書が出ていないので詳細についてはまだ未知数な部分が多いです。また、上海ETFの時のように価格が実際よりも割高になるのかも、現時点では分かりません。
もう一つ付け加えると、コスト重視の観点から考えると、今回大証に上場するロシアETFよりも、さらに有利な商品も存在します。香港市場に上場している「リクソーETFロシア【香港証券コード:2831】」は、信託報酬が年0.65%と、大証のものよりさらに安いのです。香港上場なので、SBI証券 などで外国株口座を開設して、さらに日本円から香港ドルに交換する為替手数料(片道約1.1%)が必要など面倒ですが、10年以上の長期投資を考えるなら、コストの安いこちらの方が理論的には有利になります。
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