BRICsについて ブラジル ロシア インド 中国 (南アフリカ)  

デ・ビアス社とダイヤモンド市場

BRICs辞典 > 南アフリカ > デビアス

南アフリカ共和国で最も有名な企業と言えば、ダイヤモンド業界の「デ・ビアス」が挙げられるでしょう。デ・ビアス社は長らく、様々な政治力を行使して世界のダイヤモンド市場を独占して莫大な利益を上げ、世界的大企業へと登りつめました。

デビアスは元々、南アフリカ国内でダイヤモンドの採掘を手がける鉱山企業でした。しかし生産だけを行っていたのでは、会社の利益がダイヤモンドの市場価格に大きく振り回されることになるため、流通や小売りまでを自社で一元支配することを考えついたのです。そして、ダイヤモンドの中央販売機構(CSO)を設立したり、世界各地の鉱山や販売会社など関連企業を次々と買収して支配下に置くなど、ダイヤモンド市場において独占的な立場を確立していきました。こうしてデビアスは、90年代半ばまで世界のダイヤモンド流通の8割以上を独占し、莫大な利益を上げていました。

但し、余りに強引な手法で市場を独占した為、アメリカでは独占禁止法違反に問われ、一時はアメリカでの直接販売が禁止される処置を受けている(2004年に罰金2億5千万ドルを支払い和解、米国での販売再開する)。現在ではダイヤモンド市場のシェアも5割弱にまで落ちており、独占企業とまでは呼べなくなりつつありますが、業界内での影響力は極めて大きいことには変わりありません。

現在では人工的にダイヤモンドを生成できる技術が存在するにも関わらず、極端な値崩れを起こしていないのは、デビアス社が人工ダイヤモンドの宝飾市場への流入を阻止しているからだと言われています。

ダイヤモンドの結婚指輪を創ったのはデビアス

デビアスはマーケティング・販売戦略で最も力を発揮し、ダイヤモンドを金にも匹敵する宝飾品としての地位を確立させました。金(ゴールド)はエジプトのツタンカーメン像などでも分かるように、数千年前から世界中で宝飾品として重宝されてきた長い歴史があります。しかし、ダイヤモンドの宝飾文化が生まれたのは事実上20世紀に入ってからで、そのマーケットを確立させたのはデ・ビアス社なのです。

彼らが特に力を入れたのが、結婚・婚礼マーケットです。今日では当然の風習となっているダイヤモンドの結婚指輪は、実はここ数十年の間にデビアスが広めたのです。ハリウッド映画でダイヤモンドの婚礼指輪を使用させたり、有名女優を使ったダイアの指輪CMを流す事で、結婚指輪=ダイヤモンドという新たな文化を確立させました。

日本でも80年代に「ダイヤモンドは永遠の輝き」というデビアスのCMが多数流れていた事を覚えている方もいるでしょう。当時の日本はバブル経済に沸き、アメリカに次ぐ世界第二位の富裕国家になったので、デビアス社がマーケティングに力を入れていたという背景があります。

しかし、バブル最盛期には3600億円もあったダイヤモンドの輸入量は、近年では1000億円程度で推移しています。バブル崩壊による日本経済の衰退が、ダイヤモンド需要と見事にリンクしているのは何とも皮肉です。現在ではデビアスのテレビCMを見かけなくなったのは、彼らが日本よりも、中国・インドなど将来有望なマーケットへと販売戦略をシフトしているからだとも推測されています。

デビアスはかつては、南アフリカのヨハネスブルグ市場やロンドン市場などに上場していましたが、2001年に上場廃止。南アフリカの大富豪であるオッペンハイマー一族が、彼らの所有するアングロアメリカン社と共に株式の8割以上を取得し、事実上の私有化したためです。またアングロアメリカン社もADR上場していないので、残念ながら日本人がデビアスの株を買うことは、直接的にも間接的にも難しい状況です。

 








免責事項・リンクポリシー | お問い合わせ | 海外投資データバンク | HOME

Copyright (c) 2006-2013. BRICs辞典. All Rights Reserved.