中国はレアメタル・レアアース大国
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レアメタルとは、採掘が困難だったり、存在自体が極微量しかない「希少金属」のこと。鉄や銅のように大量に消費される金属(ベースメタル)ではないものの、パソコンや携帯電話などの電子機器や、自動車の排ガスフィルターや太陽電池パネルなどの環境技術分野で、微量ながらも必要不可欠とされる金属です。
レアメタルの多くが埋蔵地域が偏在しており、中でも中国に偏っている金属が幾つか存在します。BRICsの中で資源国と言えばロシアやブラジルで、中国は労働力市場と思われがちですが、実は中国はレアメタル大国であり、隠れ資源大国とも言えるのです。
例えば、地球上でダイヤモンドに次ぐ固さを誇り、研磨・切削用途や電球のフィラメントなどで利用される「タングステン」は、世界産出量の実に86%が中国なのです。またレアアース(特に希少な17元素の総称)に至っては、中国は世界産出量の実に90%超を占めています。
他にも、強度や耐熱性強化の触媒として様々な金属と混ぜ合わせて使用される「バナジウム」は30パーセント超、ステンレス鋼の素材や自動車の排ガス処理などで利用される「モリブデン」で約25パーセントなど、中国が大きなシェアを占めているレアメタルは数多いです。(下記グラフは2007年度データ、参考資料;世界資源マップ(ダイヤモンド社))
都市鉱山がレアメタルの供給リスクを救う?
このように、数多くのレアメタル・レアアースを保有する中国では、資源ナショナリズムの傾向を強めています。レアメタル類の自国内での消費量が増えている事が最大の要因ですが、一部では「価格を釣り上げる(輸出で儲ける)ために出し惜しみしているのでは」という報道もあります。
いずれにせよ、産出が中国に偏っている事は、レアメタルの消費量が世界最大とも言われる日本にとって、大きなリスクを抱えている事になります。中国政府がレアメタルを独占していることを盾に、ロシアのガス外交のような強引な手段に出る危険性は否定できません。
その為、日本の経済産業省は、非鉄金属の内で特に希少な31種類をレアメタルと定義し、中でも特に供給体制に不安が高い金属(ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウム)は国家備蓄制度を設けて、供給が途絶えないよう備えています。例えば、前出のタングステンやモリブデンは国内消費量の約3週間分、全金属の平均で約24日分の備蓄をしています(2007年末時点)。そして国家備蓄だけでなく、民間企業の側でも「(社)特殊金属備蓄協会」が主体となり、全国の約50カ所でレアメタルの備蓄を行っています。
しかし備蓄するにしても、供給サイドの生産調整リスクは避けられませんし、大量に備蓄するには多大なコストが掛かります(盗難防止など警備面の充実が必要な為)。
そこで、レアメタルの安定供給には有効な手段として「都市鉱山」の開発が注目されています。都市鉱山とは、廃棄されたパソコンや携帯電話の基板などのいわゆる「資源ゴミ」の中から、貴金属やレアメタルを取り出しリサイクルしようというコンセプトから生まれた造語です。
日本は世界最大の都市鉱山を持つと言われています。例えば「金」の世界埋蔵量は4万2千トンと見られますが、日本の都市鉱山には6800トンもの金が眠っていると推計されています。同様に、レアメタルの1種である「インジウム」の世界埋蔵量は2800トンに対して、日本の都市鉱山では1700トンものインジウムが埋蔵していると推測されています。
もちろん資源ゴミに含まれる全ての金属を再利用できる訳ではありません。それでも、レアメタルの消費量をほぼ100%輸入に頼り切っている日本にとっては、都市鉱山からレアメタルをリサイクルすることが、供給不安に対抗する最良の手段であると考えられます。
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